学校歴・職歴の大切さ

空白期間を設けない大切さ

履歴書の左側には学歴や職歴を書くことが多いです。この学歴や職歴に隙間を空けないようにすることは非常に大切です。

就職活動をした人もする前の人も、「たった10分の面接で俺(私)の良さなんて分かるわけないじゃないか!」と思っている人も多いと思います。はい、その通りです。分からないです。企業も一生懸命良い人を取ろうとします。ですが、受験者は一生懸命準備してきます。対策済みの人の良し悪しを10分程度の面接で見極めるのは無理です。そこで頼りになるのは履歴書です。

良し悪しは置いておいて、履歴書を奇麗にすることを心掛ける人は多いです。ここでいう履歴書を奇麗にするというのは、転職回数が少ないとか、学校歴と職歴の間に隙間が無いことです。このように履歴書が奇麗な人を見ると、「きっとこの人は履歴書を奇麗にすることを大事にしている人だから、ちょっと辛いことがあったりしても辞めたりしないだろうな」と思うのは通常だと思います。そして、履歴書が奇麗人と、隙間のある人はどちらを雇用するかと言えば、履歴書が奇麗な人でしょう。

少し極端な例ですが、例えば趣味が世界を放浪することで、この趣味と仕事をきちんとこなしている人がいるとします。正社員として働いて欲しい職場で、このような人を採用することはないでしょう。逆に、短期的な人材不足の時には、このような人を採用するでしょう。このような人が一方的に雇用を切られる際に、もう少し働きたいと願い出ても、「えっ、また世界放浪すると思ってた」とか、「でも、もう少ししたら、世界放浪するから、大丈夫でしょう」などと言われる可能性が高いです。

つまり、履歴書に隙間があることは、長期間働くうえで、不利に働くのです。


■人事採用から見た面

人事採用者側の視点も考えてみたいです。

人事採用の人も仕事です。仕事ということは評価されます。すぐ辞めてしまうような人を採用しては、自分の評価が下がってしまいます。こんな時、それでも「自分の人を見る目」を信じれる人は少ないのではないでしょうか。それよりは履歴書などの客観的な指標に頼ってしまうのではないでしょうか。

正直、履歴書に隙間があっても良い人はいっぱいいます。そして、先に述べたように、どの人が良いかというのは、面接ですべてを見抜くことは不可能です(それでも何とか、少しでも良い人を採用できるように頑張っています)。

そんな中、「履歴書が奇麗だけれど、すぐ辞めてしまった人」と「履歴書に隙間があって、すぐ辞めてしまった人」がいたとします。こんなとき、どのような会話が繰り広げられるでしょうか。履歴書が奇麗な人の場合「履歴書も申し分なかったですし、すぐ辞めるとは思いませんでした」と言い訳できますよね。ですが、履歴書に隙間がある人に対して「面接では良い人に見えたのですか」と言っても、上司に「この履歴書を見て判断したのか!」と言われてしまうかもしれません。

繰り返しですが、もちろん履歴書に隙間があっても良い人はいます。ですが、普通に良いだけじゃリスクが、採用担当者のリスクが大きすぎるのです。もちろん入社後、会社のスーパーエースになってくれる可能性があるくらいの人材ならば話は別です。

また、会社の規模が大きくなく、社長の人事権が強いところならば、社長に気にいられれば就職できる可能性があります。


■わざと留年する

30年位前のベビーブームの名残も未だあるのと、年功序列の部分もあり、企業としては留年と浪人合わせて2年までならば、特に問題にしないところが多い(*1)ようです。

そしてこの時代の名残から新卒一括採用が継続しています。この波に乗らないと、先に述べた履歴書に隙間が空くことによる不利を味わうことになります。

履歴書に隙間を空けないために、指導教員に頼んでワザと留年するというのがあります。2回目の4年生は、卒業研究は進んでいますので、就職活動に割く時間も増えるでしょう。学費もかかりますし、正直、そこまでする必要もないと思わなくもないのですが、「履歴書を奇麗にする」という拘りは、好意的に受け止められるようです。


■専門学校へ行く

色々書きましたが、それでも大学を卒業したいということでしたら、専門学校へ進学することをお勧めします。こちらは企業も進学として見てくれるようです。フリーターになるのは避けて欲しいと思います。


■就職しなかった学生さん

ある学生(卒業生)です。どれだけ説得しても、就職を拒んだ学生さんがいます。卒業後、半年以内に就職しました。話をしてみました。

私 (在学中)あれだけ説得したのに、就職しなかったのにどうしたの?

卒業生 フリーターでいるって、精神的にきついです

私 そんなの、卒業する前から分かってたでしょう

卒業生 分かっていました。でも、想像と実際になってみたのとでは全然違いました。

(*1) 問題にしないとは言いましたが、何故留年したかは面接で聞かれることが多いです。これは嫌なことを聞かれたと思うのではなく、むしろ答えをあらかじめ用意できるラッキー質問だと思いましょう。答え方に正解は無いのですが、私は以下のような方法を進めています。まず、ダメな例として、何となく留年して、何となく進級(卒業)した例です。これは、企業側から見たら、成長してないとか、だらしないだけ思われたり、将来何となく辞めてしまうと思われてしまいます。私が勧める良い例のパターンとしては、まず留年した理由を把握すること、そしてそこから行動を改めることです。具体的には「オンラインゲームにはまりすぎて、深夜までやっていました。学校を休みがちになり、留年してしまいました(原因の把握)。留年が決まったときに、母に泣かれてしまいました。ひどいことをしてしまったと反省し、オンラインゲームはしないようにしました(行動の改め)。そして、学校にきちんと行けるようになり、無事卒業見込みになりました」という感じです。