学習意欲を問う面接

面接の中には、「学習意欲を問います」と書かれている面接が少なくないです。ここでは、学習意欲を問う面接についての準備方法について述べます。

人生の目標

ただ「勉強だけしたい」という人は少ないです。通常、勉強するのには目的があります。それが人生の目標になります。人生の目標は人それぞれだと思います。自分の言葉で話せるようにあらかじめ考えておく必要があります。面接の短い時間で考え出すのは無理があります。

目標の例として、身に着けたい技術がある、成りたい職業がある、などです。タイトルでは、「人生の目標」と大きく書いてしまいましたが、以下の例のように、目先の(それなりに大きい)目標でかまいません。

たとえば、「SEになりたい」という単純な回答は、面接では良い答えにはなりません。何故、SEになりたいと思ったのでしょうか? これを踏まえて、「情報社会になっているから、SEになりたい」となるかもしれません。さらに質問すると、情報社会になると何故SEに成りたいのでしょう? このように何故何故を繰り返し、自問自答してください。そうすることで、自分の人生の目標が見えてくると思います。

(掘り下げていく例)

志望理由

志望理由で大事なことは、上記でまとめた「人生の目標」が、本学・本学科でないと実現できないと主張することです。(これに無理があるじゃんと思う人は、上級者です。このWebページの一番最後の「志望理由(上級編)」をご覧ください。

そのためには、神奈川工科大学情報工学科のカリキュラム、教育方針などを知り、自分の「人生の目標」に合致している点を探さないといけません。

同様に、他大学・他学科では、自分の「人生の目標」に合致しないことを示す必要があります。そうしないと、「それは他の大学でも出来るんじゃない?」となります。

科目に取り組む意欲

人生の目標、志望理由を踏まえて、大学生活で、どのようなこと(科目)を学びたいか明確に述べる必要があります 。

端的に言えば、以下のようなことが例に挙げられます。

しかし、上記のままでは不合格です。大学進学の目的で話したとおり、「なぜプログラミングを頑張りたいのか」ということを掘り下げないといけませんし、掘り下げていった結果が大学進学の目的と合致していないと駄目です。

例えば、大学進学の目的で「SEになりたい」と言っているのに、科目に取り組む意欲で「英語を頑張りたい」というのでは、ちぐはぐ過ぎて、低評価になります。「総合:整合性」のところでも書いていますが、このようなギャップは無いようにする必要があります。今回の場合は、両方やりたいが、それを上手く伝えられていないのだと思います。つまり、大学進学の目的は「国際的に活躍できるSEになりたい」であり、そのために「英語を頑張りたい」となるのだと思います。

勉学目標

人生の目標(勉学目標)に対して、それを達成するための期間を定めて、その期間に対しての何段階かの小ゴールが設定されていると、より良いです。

小ゴールの設定は逆算していくと、簡単に求まることが多いです。例えば以下の通りです。

(小ゴールの設定のために掘り下げる例)

総合:整合性

学びたいところを真剣に考えることで、大学進学の目的が明らかになったように、相互の矛盾を解決していくことで、自分のやりたいことを正確に伝えられるようになります。そのため、各項目(人生の目標・志望理由・科目に取り組む意欲)を行ったり来たりし、矛盾が無いかを見直すことで、矛盾がなくなるのはもちろんのこと、自分の気持ちが整理できます。

これらは短時間でまとまるものではありません。多くの時間をかけてください。また、頭の中で考えても上手くいきません。面倒くさがらずに紙に書きましょう。「書くことは考えることである」という言葉もあります。

「面接の準備」のページ(リンク)もお読みください。

志望理由(上級者編)

志望理由は就職のときにも聞かれることです。IT系では特にそうなのかもしれませんが、「いくら志望理由を考えても、それが御社(御校)でないと実現できないということはありません。ある目的のための選択肢が1個しかない何ということは、ほとんどありません。人気のある分野であったり、重要な分野であったら、なおさらです。複数の人が複数の方法でアプローチするはずです。

これは割り切るというか大人になるしかありません。大事なところは、「御社(御校)に興味があるよ」と示すことです。そこで御社(御校)が発信しているメッセージをきちんと調べているよ(受け取っているよ)ということです。月並みになっていきますが、例えばあなたがAIに興味があるならば、「御社(御校)の『AI人材の育成に力を入れているというメッセージに魅かれた」などと答えるわけですが、これに色々補完していきます。何故AIに興味を持ったのか、「人材育成に力を入れている」に興味を持った理由は何か、などなど自分の言葉で説明していきます。

色々理由を用意した後だと、最終兵器として「好き」が使えます。「御社の社風(御校の雰囲気)が好き」、とか「人事(広報、学生)の人が感じが良かった」などは、本人の感覚です。誰も否定できませんし、理由を論理的に説明することもできません。繰り返しですが、これは準備をたくさんした人が使えるテクニックです。いきなり「好きだから」では、面接を突破できません。