研究室一覧

 以下の情報は「産学官連携メールマガジン(20227月11日号)」より引用させていただきました(リンク)。


◆ソフトウェアを短時間で正しくバグ無く作る研究

                           言語設計学研究室 教授 五百蔵重典

 ソフトウェア工学は、ソフトウェアを作る方法を研究する学問で、対象範囲も多岐にわたります。
その中で、ソフトウェアの信頼性の確保を求める傾向が強くなっています。例えば、誤りが無いこと
をテストで十分に確認するのではなく、何らかの方法で誤りが無いことを証明する手段が求められて
います。欧州では、ソフトウェア設計および開発段階において、SPINと呼ばれるモデルチェッカ
を使った手法や、Coqと呼ばれる定理証明支援システムを使った手法が盛んに研究されております。
しかし、一般の開発者が使うのには敷居が高いのが現状です。これらの有用なツールを一般の開発者
が利用可能になるような支援ツール、利用方法の模索をしております。https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/ioroi.html
http://ldl.ic.kanagawa-it.ac.jp


◆情報技術を利用した循環型サプライチェーン実現に関する研究

                         経営システム工学研究室 教授 稲葉達也

 持続可能な社会の実現が世の中の関心を集めています。サプライチェーン(製造から販売に至る複
数企業の供給連鎖)の管理においても、消費された商品を回収し、再利用・再製造に使用する循環
型のプロセス実現への関心が高まっています。この循環型の仕組みの課題の一つは回収量に不確実
性があることですが、この不確実性は情報技術を活用することで低減することが期待できます。当
研究室では、不確実性の軽減に資する情報技術の活用方法を検討するとともに、その効果の定量的
評価の研究にも取り組んでいます。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/inaba.html


◆高齢者支援のための笑い誘発に関する研究

                           Web工学研究室 教授 大塚真吾

 少子高齢化社会に入った日本において、高齢者の中には、一般の人と比べて、微笑んだり、笑っ
たりする時間が少ない場合が多いようです。しかしながら、「笑い」は人々の心とカラダに様々な
効果があると言われており、生活をしてゆく上での高付加価値であり、社会的弱者にとっても必要
です。そこで、我々は高齢者に対し「笑い」による心の癒し空間を提供することを目的とし、「笑
い」を生成する対話とロボットの動きを自動生成し、高齢者に対して「笑いの場」を提供すること
を目指しています。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/otsuka.html


◆モノのインターネット(IoT: Internet of Things)の研究

                       IoTシステム研究室 准教授 川喜田佑介

 身の回りのあらゆるモノをネットワーキングするモノのインターネット(IoT: Internet of Things)
が注目されています。例えば、わが国の橋梁やトンネルなどの社会インフラの数量は膨大で老朽化
しており、安価な構造物モニタリングが望まれています。モニタリングをバッテリレスワイヤレス
化し損傷を自動的に検知できれば、これら社会的な課題解決に貢献できます。当研究室では、同期
ストリーミングのためのバッテリレスワイヤレス通信技術、測距・測位不要な信号源同士の近接関
係推定による信号源クラスタリング、協調給電による再生可能エネルギー指向自律分散グリッドな
どの研究を行っています。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/kawakita.html


◆AIを用いたお札の文字識別に関する研究

                          信号処理応用研究室 教授 木村誠聡

 近年電子マネーが色々な所で使えるようになってきましたが、未だにお札を用いた経済活動は
活発です。お札は偽札が作られないように色々な工夫がなされていますが、それでも偽札による
問題は無くなりません。偽札は大体の場合同じ紙幣番号であることが多く、紙幣番号を読み取り
確認することで偽札の蔓延を防ぐことが可能と考えられています。しかしながら、各国のお札に
印刷されている文字・数字はお札の背景の影響や各種フォントが用いられているため、一般的な
画像処理技術では紙幣番号の認識が難しいことが知られています。そこで昨今流行のAIの一つ
であるディープラーニングを用いて各国のお札の文字・数字を学習することで正確に紙幣番号を
識別する研究を行っています。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/kimura.html
http://www.ess.ic.kanagawa-it.ac.jp/res_pub/res_pub.html


◆ITS(Intelligent Transport System)に関する技術開発

                  モバイルコンピューティング研究室 教授 清原良三

 自動運転、MaaS(Mobility as a Service)というキーワードが毎日のようにニュースで取り
上げられています。自動運転は基本的な自動車の動作を決めるための情報(カメラやセンサによ
る障害物や他車両の情報)の入手や分析、他車両との通信など情報技術を活用することによって
実現されます。MaaSもサービスを実現する上では、様々な情報を集めて分析することによっ
て実現されます。本研究室ではこのITSとモバイルコンピューティング技術を中心に研究をす
すめ、自動運転時代が到来した際の各種課題の抽出、分析とその解決策の提案などを中心に研究
開発を進めています。とくに、自動運転でも、最終的には人が責任を取るモデルを考慮すると実
際には最終段階での人の動作が入ることが交通流全体に影響を及ぼすこともあり、こういった課
題への対策が重要です。MaaSにおいても、自動車での運搬時間や駅での通行時間(人流抵抗
の大きさ)などを推定できないと質の良いサービスが提供できないため、様々な情報を活用した
推定技術の開発も重要です。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/kiyohara.html
http://www.kiyolab.cs.kanagawa-it.ac.jp/


◆社会インフラの運用合理化に関する研究

                       社会システム工学研究室 教授 塩野直志

 日常生活に必要不可欠な社会インフラ(電力・ガス・水道・通信に関連する設備,公共施設)
の老朽化が進んでいます。担当者の高齢化も進んでおり、従来とは異なる方法での社会インフ
ラの運用およびその合理化が求められています。合理化の一つの方法として、IoTと人工知
能、数理最適化の活用が考えられます。例えば、プロパンガスのボンベ配送において、IoT
を活用した運用方法を適用すると、ピーク期の配送本数を約3割減らすことが出来ます。当研
究室では社会インフラにおいて最新技術を活用し合理的に運用していく方法を研究していきま
す。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/shiono.html


◆LMS(学習支援システム)による学習履歴データを活用した分析・評価機能の研究

                         データ工学研究室 助教 鈴木孝幸

 大学の講義などにLMS(学習支援システム:Learnig Management System)を活用する
事例が多くなっています。LMSには学習者の学習履歴データが大量に蓄積されることにな
り、そうした学習履歴データを分析・データマイニングすることにより学習者の特徴や学習
行動を把握し、教材の評価を行うことが可能となってきています。そうした学習履歴データ
の効率的な蓄積と分析・評価手法(LA:Learning Analytics)の研究を行い、実際のLMS
に組み込む開発を行っています。こうした分析・評価により、学習者のレベルにあった教材
の提示や弱点となる項目への繰り返しの学習を促し、学習効果や満足度の向上につながる研
究となります。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/suzuki.html


◆ソフトコンピューティングの数理最適化への応用

                    知的システム工学研究室 准教授 須藤康裕

 今後いたるところで計算機が自律的に問題解決に臨み、人間の仕事を取って代わろうと
しています。そのためには数理モデル化と問題解決器の構築を分離し、汎用性を高めてい
くことが不可欠になるのではないかと予測します。また、その人工知能の性質を人間社会
に違和感無く浸透するようにするには、人間をはじめとする生物のもつ柔軟さ・曖昧さを
許容していくことが一つの解決策だと考えます。ファジィロジックや進化的計算などを駆
使し、実時間内で許容解を高速に得るための研究を行っています。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/sudo.html


◆撮影写真プロファイリングによる観光地推薦システム

                  データベースシステム研究室 教授 鷹野孝典

 本研究では、ユーザが撮影した写真集合から、観光地についての嗜好性にもとづいて
観光地推薦を行う研究を行っています。情報推薦システムは,日常生活の中で新たな知
識や経験をみつけるために必要不可欠なものとなっています。一方、スマートフォンなど
に搭載されているデジタルカメラを用いて思い出や体験を写真で撮影し、ソーシャルメ
ディアを通じて他者と共有する機会も増えています。写真は情報量に富んでおり、言葉
に表せない内容についても直感的に伝えることができるため、考え、意図、感情などを
共有するのに適していると言えます。本研究では、このような撮影写真を分析対象とし
てユーザの興味を推定し、ユーザが今後関心を抱き体験してみたいと思う場所を推薦で
きる観光地推薦システムの実現を目指しています
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/takano.html


◆学生の取組み状況を可視化するプログラミング演習支援システム

                    ソフトウェア工学研究室 教授 田中哲雄

 本研究では、プログラミング演習における学生の躓きを早期に発見してタイムリーに指
導できるようにすることを目的として、プログラミング演習支援システムを開発してい
ます。本システムは学生向けにWeb上で利用できるプログラミング環境を提供します。
また教員には学生の取組み状況(順調・躓いている・諦めているなど)をリアルタイム
に判別し提示します。さらに、各学生の進捗やプログラムの作成過程、エラーの発生と
対処の状況も提示します。少人数の学生を対象とした実験により、本システムが学生の
取組み状況と進捗の把握に有効であることを確認しました。今後、取組み状況の判別精
度の向上と躓き箇所の特定方法・提示方法の確立を目指します。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/t_tanaka.html


◆センサ情報と機械学習技術による知的空間の実現

                        情報通信研究室 教授 田中 博

 センサの小型軽量化、低消費電力化とワイヤレス通信技術によって、膨大なセンサ情
報が容易に取得可能である。この情報と進展が著しく多くの領域に浸透しつつある機械
学習技術を連携し、知的空間として利便性の向上、生活支援のための要素技術の研究開
発、実証システムの構築を目標に設定している。現在は、カメラや加速度センサによる
手指の動きの検出と深層学習技術の連携による手話動作の識別、雑音環境下での音の識
別、音声認識性能の確保とその応用、音の低伝搬速度を利用した屋内での高精度な位置
検出技術に関する検討を行っている。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/tanaka.html
http://www.tnklab.ic.kanagawa-it.ac.jp/tanakalab/index.htm


◆クラウドコンピューティング及びFPGA技術を用いた人工知能システムの開発

                    知識処理システム研究室 教授 陳 幸生

 コンピュータに知的な活動をさせるため、人間が理解している意味をコンピュータ上
で如何に表現でき、かつ高速的に計算できる課題の解決は重要です。本研究では、多次
元ベクトルを用い意味を表現する方法を採用しています。多次元ベクトルを用いた意味
の計算は、ベクトルの各々の要素に重み付けて、さらに重み付け要素の算術演算子を行
う計算となっています。そのため、高速ベクトル演算に対応できるクラウドコンピュー
ティング技術、及び、高速ベクトル演算装置を構成できるFPGA(Field-Programmable
GateArray)技術が意味の計算装置の構成に応用できるため、本研究では、クラウドコン
ピューティング及びFPGA技術を用いた人工知能システムの開発を実施しています。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/chen.html


◆生成系深層学習モデルを用いた画像処理の高度化に関する研究

                     数理画像情報学研究室 教授 辻 裕之

 近年の生成系深層学習モデルの進展は著しく、GANベースのGeneratorを用いることに
より1024×1024画素レベルの高精細な画像を生成できるようになりました。また、
StyleGANのように、潜在空間上で人物の表情を真顔から笑顔に変えるなど、従来の画像
処理では難しかったセマンティックな画像操作を行う事例も見られるようになりました。
本研究では、実画像を潜在空間上にマップするEncoderを用いることで高精細なオートエ
ンコーダを構築し、潜在空間上でセマンティックな画像処理を実現する手法の検討を行っ
ています。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/tsuji.html


◆実践的ソフトウェア開発に寄与するプログラミングおよびコーディング学習に関する
 研究 
                           情報工学科 教授 納富一宏

 情報系専門教育課程では,産業界からの要請を受けて高度IT人材育成に向けた取組み
が注目されています.特に,企業が期待するSEやプログラマが有すべき技能は,より
先進的であることが望まれると同時に,従来からの実践的なプログラミングスキルも重
要視されています.本研究では,新しい教育支援方式として,コーディングやプログラ
ミングのスタイルの習得と実践を兼ねたオンライン方式でのコードレビューやペアプロ
グラミングへの応用を可能とする「プログラミング時のキーボード操作の時系列情報を
活用したコーディングスタイル学習」を実現する支援システムおよび情報共有を促進す
るSNSの開発を進めています.また,プロトタイプを用いた有効性検証と進行モデルの
改善を進めています.
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/notomi.html


◆人工知能の基礎理論から応用まで

                      知能情報処理研究室 教授 松本一教

 人間と同等な知能(知性)を実現するためには、少なくとも3種類の異なった能力の実
現が必要となります。それらは、帰納、演繹そして類推である。また、知能実現へのアプ
ローチとして、記号計算主義とコネクショニズム(脳模倣主義)に分けることもできます。
いま人工知能実現の技術として脚光を浴びているディープラーニングは、コネクショニズ
ムにもとづくものであり、帰納や類推の実現に威力を発揮しています。しかし、演繹に関
する能力を欠いており、この技術だけでは論理的な深度を持つ知能の実現は不可能です。
そこで,当研究室では,記号主義とコネクショニズムの両者が共存する新たな人工知能の
理論構築を目指しています。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/matsumoto.html


◆画像を使った声や音に関する研究

                  画像情報処理システム研究室 教授 宮崎 剛

 声や音の情報を画像に変換したり、また画像から音に戻したりする技術があります。
声や音を画像情報に変換することで、これまでに研究されてきた画像処理に関する技術
や深層学習(ディープラーニング)も活用できるようになります。深層学習を使って、
雑音の含まれた音の画像データから雑音を取り除いたり、特定の声や音を抽出したりし
て、音情報に戻す研究をしています。また、音声情報の無い発話映像から画像のみで発
話内容を推定する研究も行っています。オンライン会議での音声の明瞭化や背景音の除
去、また音声が無い、抽出できなない映像からの発話推定等などへの活用を目指して研
究を進めています。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/miyazaki.html


◆画像・映像の認識・生成による魅力の解析やWell-beingの実現

                                                 メディア認識理解研究室 教授 森 稔

 深層学習技術の発展により各種サービスの性能及び利便性の向上が著しいです。しかし
今後の方向性として、利便性の追求だけではなく、「安心」「ときめき」「喜び」など
Well-beingの実現が重要だと考えています。その実現には、人の感情・感性の理解、コン
テンツの魅力や影響に関する解析、及びそれらの研究結果を用いたコンテンツの提示方法
の検討などが必要です。本研究室では、画像や映像の認識・生成技術を通した、コンテン
ツと感性の関係性の理解やデザインの解析・提示手法などの研究を進めています。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/mori.html


◆情報工学技術を用いたスポーツの競技力向上に関する研究

                     スポーツ情報科学研究室 教授 谷代一哉

 近年の情報工学技術の発展は目覚しく、それらはスポーツの分野においてもすでに使用
され始めています。練習時の生体情報や運動動作、また試合中の選手の動きやフォーメー
ションなどを測定し、それらを数値化や視覚化し、選手たちに即時に還元(フィードバッ
ク)することも行われています。このことからアスリートにとっては、感覚的に行ってい
るスポーツも改めて多くのことが明らかになりつつあります。現在,野球・サッカー・ラ
グビーおよびバスケットボールなどのスポーツを対象とした「試合結果」や「選手の動作
・動き」などを解析し、そのデータから競技力向上の一助となる検討を行っています。
https://www.kait.jp/ug_gr/undergrad/info_science/info_engrn/academic/yashiro.html